広報・IR職で仕事が辛くて辞めたい人へ。悩みを解決するには

広報・IR職で仕事が辛くて辞めたい人へ。悩みを解決するにはこんにちは。広報・IR部門で10年働いている徳永です。

どんな仕事でも、続けていくうちに大きな壁にぶつかり、辛くて辞めたくなることがあると思います。

本記事は、私の経験も踏まえて、広報・IR部門で仕事が辛くて辞めたいと感じている人に向けて解消方法などについて書いてみました。

広報・IRの仕事には、会社の「汚点」に触れる泥臭い業務がありますが、それを20代の若い社員にやらせるわけにはいきません。会社が嫌いになってしまうからです。広報・IR担当者が自分の会社を信じられなくなったら、仕事になりません。

しかし30代になって、そろそろ「広報・IRとは」が分かってきたころになると、世の中の酸いも甘いも理解できるようになるので、脂っこくて、えぐみがきいていて、汚い仕事を任されるようになるのです。

なので、せっかく仕事が慣れてき30代になって、「辞めたい」「別の部署に行きたい」と考える広報・IR担当者は意外に多く存在します。

広報・IRが仕事で悩むこと

メディア担当者との人間関係に悩む

広報・IR担当者には「味方にもなるし敵にもなる存在」がいます。

それがメディア担当者です。

企業の業績が好調なときは、メディア記者は味方です。

記者は広報・IR担当者にすりより、「すごいですね」とおだててくれます。

広報・IR担当者も、その記者が所属する新聞やテレビで自社製品を紹介してもらえると実績になるので、喜んで記者に協力します。

しかし、自社製品が陳腐化してくると、いくら新商品を出しても、記者たちは取材に来てくれません。

また、業績が不調なときなどは、せっかくの新商品のリリースを、「業績が伸びていない原因の1つ」としてニュースに取り上げられることすらあります。

様々なメディア記者や担当者との人間関係は悩みのタネでもあるのです。

アピールのしようがない事もアピールしなければいけない

広報担当者は自社の活動を魅力的に市場に伝える第一人者なのですが、自分で魅力的だと感じていない事を魅力的に伝えるのは、モチベーションが上がらないものです。

例えば、あるメーカーが携帯電話の新機種を開発し、広報・IR担当者がプレスリリースを書いて、マスコミ各社に送ったとします。

しかし問い合わせはゼロ。

その広報・IR担当者は上司から「取材されないってどういうことだよ!」と叱られてしまいました。

それで広報・IR担当者は、かつて名刺交換したメディア担当者達に電話をかけて、「この間お送りしたプレスリリースについてもっと詳しくお教えしたいのですが、取材しに来ていただけませんか」と依頼します。

ところが、記者は「スマホ全盛の時代でガラケー新機種なんて、読者の関心が低いなあ」と言い放ったのです。

これを聞いた広報・IR担当者は落ち込みましたが、しかし実は、自分でプレスリリースを書きながら、「新機種っていっても、今更ガラケーかぁ」と感じていたのです

相手にされない不安から「脅し」に出ることも

しかし広報・IR担当者は、「マスコミに取り上げられてナンボ」ですので、これでは仕事になりません。

それで広報・IR担当者は、冷たい態度の記者に向かって「良いときばかり取材に来て、こちらが取材をお願いしたときは無視するんですか。そういう態度を取るなら、こちらも考えがありますよ」と脅すしかなくなります。

それで渋々取材してもらっても、良い結果は生まないでしょう。雑誌の隅っこに小さく掲載されて終わりです。

こんなことをしても、広報・IR担当者自身が自己嫌悪に陥るだけです。

30代の広報・IR担当者に仕事で悩む人が多い

私が広報・IRとして10年以上、複数社で働いてきた中で見たのは、30代でとても仕事に悩む同僚が多かったです。

広報・IRの仕事には、会社の「汚点」に触れる泥臭い業務がありますが、それを20代の若い社員にはあまりやらされません。

会社が嫌いになってしまうからですし、会社のマイナス面を扱う仕事はとてもセンシティブなので、それなりのキャリアが必要だと判断されるからです。

つまり30代になって、そろそろ「広報・IRとは」が分かってきたころになると、世の中の酸いも甘いも理解できるようになるので、そういった自社のマイナス面を扱うような仕事を任されるようになるのです。

30代になって、せっかく仕事が慣れてきたのに、「辞めたい」「別の部署に行きたい」と熱意を失ってしまう広報・IR担当者は意外に多く存在します。

20代の熱意が薄れ、熟練がまだない30代

40代のベテランの広報・IR担当者なら、メディア記者が自社製品に食指を動かしてくれないことが分かると、その記者の上司に電話をします。

「お宅の若い記者は横着だな。新製品のプレスリリースを出しているのに、質問のメールすらよこさない」とチクリとやります。

なぜ40代広報・IRパーソンは長年の付き合いがあるので、メディア企業の上層部にも連絡を出来る人が増えてきます。

広報・IRパーソンと記者は、「持ちつ持たれつ」「貸し借り」の関係にあるので、大したアピール点が無いような自社のニュースについても「ごり押し」が可能なのです。

一方で30代の広報・IR担当者は、ようやく「慣れ」が身に付いた程度です。

しかも20代のころの「情熱」は減っているし、40代で獲得できる「熟練」も足りていません。

これではメディア報道の「枠」をゲットできません。

仕事についていけない広報・IRが勉強すべきこと

スキル不足で広報・IRの仕事が辛いと感じる人もいます。

そういった人は下記のような勉強をすると悩みが解消できるかもしれません。

各メディアの特性をしっかり理解すること

広報担当者ならば、テレビ、新聞、雑誌、Webニュースサイト、SNSといった各メディアの「好み」を把握できていないようでは困ります。

あるマスコミが食いついたネタを、別の媒体はまったく無視するという現象が広報・IRの世界では普通に起きます。

メディア企業の人たちは「無駄なことアレルギー」を抱えています。

例えば雑誌編集者が、プレスリリースの冒頭3行を読んで「これはうち向きの情報じゃない」と判断したら、すぐにそのプレスリリースはゴミ箱行きです。

広報・IR担当者は、例え同じ商品のプレスリリースであっても、各メディア向けに内容を変えるぐらいの心構えでいいです。

少なくともプレスリリースの冒頭3行は、新聞向け、テレビ向け、雑誌向け、ITメディア向けに書き分ける必要があります。

「自社の社長が好きなメディア」を把握しているか

仕事で悩む人の多くには、社内で評価があまりされないというケースがあります。

こういう場合、自社の経営陣が好むメディアを把握しておかなければいけないこともあります。

例えば、自社の社長が、ローカルテレビ局と付き合いが深かったとします。

この社長は、自社製品が地元のローカルニュースで紹介されると、とても喜びます。

しかし、自社製品が日本経済新聞に載っても、あまり反応はありません。

広報・IR部門の人間なら、どんなに小さな記事でも「日経新聞に自社製品が載る」ことの大変さとバリューをご存じだと思います。

ローカルテレビ局も軽んじることはできませんが、しかし「お付き合い」で取り上げてもらうことは不可能ではありません。

しかし、日経新聞の記者は「日本経済にどの程度寄与しているか」という厳しい視点を持っているので、広報・IR担当者は対応に苦慮します。

苦労して実現した日経掲載が経営陣からまったく評価されなかったら、広報・IR担当者はとてもつらい思いをするでしょう。

しかしそれは「社長の好みのメディアを理解していなかった」という失敗ともいえるのです。

ただ、こういった本当に評価されるべき仕事が評価されないというケースで悩んでいる場合は、他社に転職をすることで解消されることも多いと思います。

転職をして、悩みを解消をする方法

広報・IRパーソンの悩みを解消するためには、転職という方法も大いにあります。

  • 「別の業界や会社の広報・IR担当に就く」
  • 「広報・IRの経験を活かしつつ、別の会社の別業種に就く」

の2種類の転職があります。

別の業界や会社の広報・IR担当に転職

まず前者の、転職先でも広報・IRを続ける道ですが、このメリットは「扱う商品やサービスが違ってくると、仕事のモチベーションが生まれ変わる」ことです。

例えば、菓子メーカーの広報・IRの仕事は、「製品のおいしさと楽しさ」をPRすることですが、がん保険会社の広報・IRの仕事は、「がんリスクのデータ集め」や「保険未加入でがんの治療を受ける場合の医療費シミュレーション」などになります。

「消費者に訴求する」点では、菓子メーカーの広報・IRも、がん保険の広報・IRも同じですが、訴求する相手は「子供」から「がんリスクが高まる生活習慣を続けている40代以降の大人」に変わります。

いまの仕事に悩んでいる30代の広報・IR担当者は、いまいちど「自分は誰から喜ばれたら嬉しいのか」「どんな情報を世の中に紹介したいのか」ということを考えてみてください。

広報・IRのキャリアを活かして他の職種に転職をする方法

広報・IRパーソンの2つ目のキャリアデザイン、

「広報・IRでの経歴を活かして、別の会社の別職種に転職する」を考えてみましょう。

営業職で役立つ広報・IRの経歴

ある程度の経歴を積んだ広報・IRパーソンなら、「他社と比較した自社の強み弱みの把握」と「プレゼン力」はすでに身に付いているはずです。

このスキルは、営業職で力を発揮します。

営業畑だけを歩んできた営業マンは、どうしても「売ること」が前面に出てきがちです。

優秀な成績を残している営業マンほど、押しが強すぎて、実は「取りこぼし」が多いのです。

顧客によっては、あまり強く営業されると、どんなに良い商品やサービスでも買いたくなくなってしまいます。

しかし広報・IRのキャリアで培ったテクニックを営業活動で駆使すれば、顧客に自然な形で商品の魅力を伝えることができます。

広報・IR担当者はプレゼン資料をつくるとき、極力「買ってください臭」を消そうとします。買ってください臭が強すぎるとメディアに掲載されにくくなりますからね。

営業の一般的なプレゼンと逆です。

例えば、特保(特定保健用用品)を取得したペットボトル緑茶の新製品を営業するときでも、バリバリの営業マンは、健康PRだけでなく、安さや納期の早さを訴えるでしょう。

それは、営業部門の直接の顧客となる、卸業や小売店に注目するからです。

しかし広報・IR出身の営業パーソンなら、それにプラスして医学的なデータや茶畑農家の情報を集めようとするでしょう。

なぜなら広報・IRキャリアを持っている人は、常にメディア受けや消費者の反応を意識する癖がついているからです。

もちろん、営業ですので実績・数字が第一ですが、しかし「広報・IR的な営業」は、新しい角度からの営業手法を考え出すなど営業部に新風を吹かせるでしょう。

営業を統括する立場からすると喉から手が出るほど欲しい人材といえるでしょう。

企画職で活かす広報・IRのキャリア

広報・IRの経歴は、企画部門でも活かすことができます。

企画職と広報・IRは、「裏と表」の関係にあるからです。

企画職と広報・IRの良好な関係とは、

企画職が「この商品が売れたのは商品の本質を突いたPRをしてくれたから」と考え、広報・IR担当者は「質の高い商品だからPRは簡単だった」と感じている状態です。

つまり広報・IR担当者は、企画職の仕事や気持ちをとてもよく理解できます。

そういう人が転職して企画部に配属されても、とまどうことなく業務を遂行できるでしょう。

さらに「こういう機能を加えると、市場やメディアへのインパクトがあるよ」という提案ができるでしょう。

例えば、湘南海岸で「1日1万人が来場するイベント」を企画しなければならないとき、プランナーは、まずイベントのメニューを考えるでしょう。

しかし元広報・IRのプランナーならば、「何をしたらマスコミが集まるか」という視点もしっかりあります。

それは、マスコミの力を借りれば、1万人くらい簡単に集まることを知っているからです。

 

このように、広報・IR部門で獲得してきたスキルは、色々な業界の職種で役立ちます。