SE(システムエンジニア)の仕事の残業や休日出勤について

一般的にはシステムエンジニアは「非常に激務だ」と言われることが多いですが、実際のところ、働く環境や形態によって大きな差があります。

SEとして10年以上働いてきた筆者の経験をふまえて、システムエンジニアの残業および休日出勤について解説します。

システムエンジニアの平均残業時間と平均年間休日数

次の表は大手転職支援サイトDODAが行った、職種別の残業時間調査の結果です。

全95職種ランキングからSE職に関連する職種をオレンジ文字にしたのが下記の表です。

[全95職種の残業時間と年間休日数]※残業少ない順

残業時間年間休日数職種
少ない順時間多い順日数
1位8.160位120.4一般事務
2位8.346位123.0翻訳/通訳
3位9.326位126.1貿易業務
4位9.357位121.3オペレーター
5位11.031位125.4秘書/受付
59位27.042位123.1SE・プログラマ
68位29.666位116.6ITエンジニア
(プロジェクトマネージャー)
94位52.871位113.6編集・デスク
95位53.793位97.8映像関連
平均22.8平均121.9

出典:「残業の多い職業・少ない職業は?全80業種、95職種別の残業時間調査!」(DODA)

大雑把に言うと、上の方の職種ほど「残業・休日出勤が少ない」そこまで忙しくない職種ということです。

システムエンジニアは、残業時間の少なさは95職種中59位、年間休日の多さは42位となっておりますので、95職種中で平均よりも忙しい職種と言えます。

また、SEのプロジェクトマネージャークラスになると、残業時間の少なさは95職種中68位、年間休日の多さは66位となっておりますので、スキルを付けてPMになると、かなり多忙な職種になると言えるでしょう。

 

また筆者はメーカー系とユーザー系の企業での就業経験がありますが、残業や休日出勤の実態については大きな差があります。

SEでもメーカー系とユーザー系で残業時間も大きく変わる

筆者の実体験を基にSEという仕事環境の実態について記します。

メーカー系企業SEの残業時間の例

まずはメーカー系企業に勤めていた頃は、残業時間は最大で150時間、平均では60時間
くらいでした。

150時間のときは平日の退社時間が終電近くで、祝日と毎週土曜日が全て出勤となりました。

この状況は過労死するレベルです。若い頃のことだったので何とか耐えられましたが、今は決してやり遂げられるものではありません。

60時間ですと平日が平均21時くらいに退社ですが時々休日出勤も有りました。

休日出勤の回数は年間の平均で10日前後でした。

1年近く土曜日出社が続いたプロジェクトも経験しているためですが、開発を順調に進めることさえ出来ればリリース前後の時期などを除いて、休日出勤する必要はありませんでした。

ユーザー系企業SEの残業時間例

次にユーザー系企業での経験としては残業時間が最大で60時間、平均では40時間くらいです。

休日出勤は有りませんでした。

金融の事業を親会社が持っており、親会社のシステム開発に専念することが出来ますが、だからといって楽ではありません。

親会社も自社内も頭の回転が速い人が多く、生産性がかなり高いのでそのスピードに付いていくことが必要です。

自分でも相応の生産性が発揮出来ている実感がありながら、それでも平均40時間くらいの残業時間です。

仕事が少ないという実感が得られたこともありません。

会社や部署によって大きく労働環境が変わるSE職

あくまで私が見てきた範囲ですが、他のSEの残業時間については上を見ても下を見てもキリがありません。

まず、最もひどい部類では1ケ月間、休み無しで全て出社して、残業時間が300時間を超えたSEを自社内で見たことがあります。

10年以上昔のことなので、今のご時世ではほとんど無いものと信じたいですが、プロジェクトが炎上すると全ての時間を投げうってでも挽回しなくてはならない使命の性質は、昨今のSEでも何も変わりません。

また、これも同じ会社内ですが、パッケージソフトを自社で開発するような部署はピークではない時期は月に20時間以内の残業で済んでいるようでした。

顧客先常駐SEか自社開発SEで大きな差がある

筆者の経験上、SEの忙しさの大きな違いを生むであろう要素について述べます。

それは就業先が顧客先常駐になるのか、自社開発出来るのかの違いです。

私はいずれも経験していますが、顧客先常駐の方が厳しい状況になることが多いです。

顧客先では顧客先の就業形態や文化というものがあり、常駐する以上はその秩序に従う必要があります。

本来SEが属する会社にも就業規則が有りますが、私の経験上ではほとんど意味を為しませんでした。

常駐することで顧客側の社員と対等に接することが出来るならば問題無いのですが、システム開発や運用の仕事を受注することで入り込むため、対等な立場でいられるわけがありません。

それでも相当な数の社員がまとまって同じ顧客先に常駐出来れば良いのですが、顧客の予算事情と自社の売上目標などから、複数の顧客の複数のプロジェクトを抱えながら社員は少人数
で散り散りになることが多いです。

私の場合は入社5年を経過したあたりから、上司が同じ現場にいない環境になりました。顧客側のシステム担当者には様々なタイプがいます。

業務が分かってもシステム開発の作法や労苦を理解せず、平気でちゃぶ台をひっくり返そうとするような担当者もいれば、システム面に精通し過ぎて、詳細設計のプロセスにまで細かく介入してくることを組織的に行う大企業もいました。

顧客のいる空間で一緒に働くことはプロサッカーに例えれば常にアウェーの試合を余儀なくされているようなものです。

毎試合、アウェーの試合をこなして、それでも何とか勝利を得るには、SEが残業や休日出勤により、労働時間を増加させて穴埋めをしなくてはならなくなるケースがどうしても多くなるのです。

一方で自社開発であれば当然自身の属する会社の就業形態にそのまま従います。

もちろん会社により文化や風土が異なるので、一概には言えませんが、社員のリソースがある程度一極集中しています。

そして社員が固まって働くことが出来ているため、横の関係を円滑にすることが出来れば生産性が高められやすいと言えます。

ただそうした企業においても、親会社との関係が厳しく、常駐型で働くSEと同等以上の残業を強いられていた会社も見てきています。

SEという仕事は残念ながら残業が付き物の職種だというのが私の実感するところです。転職すればもう少し楽になるかどうかについてですが、顧客先常駐型の働き方よりは常に自社開発が出来る会社への転職を志すことをお勧めします。

ユーザー系企業が多いと思います。社内SEという道ももちろんありますが、小規模の会社で実態は社内での立場が弱く、様々な雑用も押し付けられ、転職前よりももっと厳しい境遇になってしまうことも考えられます。

より楽に働きたいと望むSEは多いですし、当然の要望でしょう。

転職市場における需要と供給のバランスを考えれば、やはりスキルと経験を蓄えて市場価値を高める人材になることが大切です。