ネットワークエンジニアの客先常駐のパターンとメリット、デメリット

本記事では、客先常駐として働くネットワークエンジニアの働き方、契約3パターンやメリット、デメリットについて解説します。

ネットワークエンジニアの客先常駐という働き方とは

ネットワークエンジニアの働き方としては珍しいことではない客先常駐ですが、どのような働き方なのかイメージが湧かない方も多いでしょう。

客先常駐とは自社内で勤務するのではなく契約先や取引先でエンジニアとしての業務を行う働き方のことを言います。所属している会社から取引先に派遣されているというような形になり、自社には出社せずに取引先に通って仕事をすることになります。

そのため、自社に出社するのは月に一度のミーティングのみということも珍しくはないのです。こう聞くと派遣社員と変わらないという印象を持つ方もいるでしょうが、所属自体は入社した会社になりますので正社員として勤めているということには変わりありません。

また、派遣でネットワークエンジニアとして働く場合でも、派遣先の会社から取引先に派遣されて客先常駐することがあります。

大手のSl企業であっても自社プロジェクトだけではなく、取引先に自社の社員を派遣するということは少なくないので、客先常駐という働き方はネットワークエンジニアだけではなく、ITエンジニアではメジャーな働き方と言えるでしょう。

客先常駐の契約!3つのパターンを解説

ネットワークエンジニアの客先常駐の契約には

  1. 特定派遣
  2. 業務請負
  3. 偽装請負

という3パターンがあります。

1.特定派遣

これは国に届け出を出した企業が行うことができる派遣方法で、会社からほかの企業へと社員を派遣して仕事を行わせるという形になります。

この客先常駐は派遣先の企業からの指示でシステム開発や監視などの業務に当たります。

2.業務請負

業務請負とは通常、取引先から発注されたシステムなどを開発して納品することを言うのですが、IT業界はデータの持ち出しなどが困難なことが多々あります。

セキュリティーなどの問題から自社に持ち帰っての開発が難しいということが多いので、取引先に社員を派遣して商品の開発、納品を行うことが業務請負なのです。このタイプの客先常駐では基本的に自社からの指示で業務を行います。

特定派遣と違い、業務請負の場合は派遣先から直接客先常駐している社員に指示をすることはできないため、指示や修正がある場合には派遣元の会社を通して指示などを変更することが必要です。

偽装請負

これは本来は労働法違反になってしまうため行ってはいけない契約方法です。

この偽装請負とは、契約上は業務請負であるにもかかわらず、実際には派遣先の指示で業務を行っているというケースになっています。

派遣先の指示で業務を行う場合は特定派遣となり、本当なら国への届け出を出して派遣事業を行っている業者しか行うことはできません。

しかし、この偽装請負を行うことで届け出や申請などをしなくても社員を派遣してしまうことができるのです。

偽装請負が発覚した場合には、なんらかの処罰を受ける可能性があるので注意してくださいね。

ハローワークなどで求人を出している企業にこういった契約を行うところがあるようですので、転職をする際には必ず転職エージェントを利用することをおすすめします。

客先常駐のメリット

客先常駐のメリットとしてまずあげられるのは、未経験でも入社・転職しやすいという点です。客先常駐を主に行っているという企業は人手不足であることが多いので、入社の難易度はさほど高くなく、未経験からエンジニアとして成長したいという場合は、客先常駐を初めのキャリアにするという方は少なくありません。

仕事を得るハードルが低い

まずエンジニアとして働く場がなければ話になりませんから、入社や転職のハードルが低いというのはメリットになるでしょう。

未経験でも採用される確率が高いので、未経験からでもネットワークエンジニアとしての実績が付くというのもメリットです。

IT業界では実績や経験などがものをいう業界ですから、客先常駐をすることで実務実績を作ることができて、これからのキャリアに役立ちますよ。

様々な業務経験が積める

さまざまな経験を積むことができるのもエンジニアとしてはメリットになります。

客先常駐の場合は、数か月~数年というスパンでさまざまな職場や業務を経験することになるので、自社内で決まった業務だけをしているよりも色々な経験を積むことができます。

プロジェクトが終了したら、次の取引先のプロジェクト、といったように、一か所だけではなくさまざまな職場を体験できますから、それぞれの職場での仕事の仕方、マネジメント手法などを学ぶことができます。

さまざまな職場を体験することで、新しい人間関係やコネを作りやすいということも言えます。

複数のSl企業からエンジニアが集められているパターンの客先常駐の場合には、それぞれ情報交換などもできますし、プロフェクトで出会った異性と結婚した、なんて事例も少なくはありません。

また、将来的に独立してフリーランスを目指しているのなら、派遣先の企業の社員との間で信頼関係を築いてコネを作っておくことも可能です。将来を見据えた積極的な交流をしやすいのは、客先常駐において大きなメリットになるでしょう。

人間関係が流動的で悩みにくい

人間関係に悩まされにくいというのもメリットのひとつです。

契約が終了すれば次のプロジェクトに移ることになりますから、合わないなと思う人や嫌だなと思う人がいたとしても、それほど長い付き合いになることはありません。

自社の仲間であるならどちらかが会社を離れるまで付き合いは続きますが、客先常駐で他社から集められている人材の場合にはしばらく我慢すれば付き合いがなくなるので、気楽であるということが言えます。

正社員への引き抜きもある

また、客先常駐先で引き抜きを受ける可能性もあります。

プロジェクトのために技術者を多数集めるというのは資本力がなければできませんから、客先常駐の取引先と言うのは比較的大手であることが多いです。

そのため働きが認められれば、なかなか入社が難しい大手企業や優良企業から引き抜きを受けるチャンスがあります。

とはいえ、よほど優秀であったり派遣元の企業との間にもメリットなどがあるという場合でもなければ、引き抜かれることはなかなかありません。

自分のスキルや働き次第というところもありますので、しっかりと業務を遂行することが大切です。

客先常駐のデメリット

客先常駐にはデメリットもあります。

スキルアップが出来ない可能性がある

さまざまな案件を経験してスキルや実績を積むことができるのが客先常駐のメリットですが、その反面、案件に恵まれなければスキルアップの機会がないというデメリットがあります。

3次受け以降の案件を取り扱っている会社だと、レベルの低い案件が多くネットワークエンジニアとしてのスキルを磨くことが難しいと言えます。

また、下流工程を任されることが多いので、高度なスキルやマネジメントなどの技術を身につけられないということもあるでしょう。

ネットワークエンジニアは35歳を過ぎると常駐単価が上がってしまい客先常駐の受け入れ先が少なくなってしまうので、その前に下流工程から抜け出して、マネジメントの技術などを学ぶ必要があります。

人見知りにはキツいこともあるかも

人間関係について期間限定での付き合いなので気楽だという人がいる一方、また一から人間関係を構築してコミュニケーションを取るのが辛いという人もいます。プロジェクトを成功させるにはある程度のコミュニケーションが必要ですし、積極的に他社の人間にも関わっていく必要がありますから、人見知りタイプの人には少しきついかもしれません。

客先常駐の場合はほとんどを取引先の企業で過ごすことになりますから、愛社精神や帰属意識が湧かないということもあります。自社の上司や先輩、同僚との付き合いがないため、自社内での人間関係の構築や自社への愛着などは芽生えにくいでしょう。

出世、昇給しづらい

最大のデメリットは、ずっと客先常駐として働いていると出世や昇進が難しいということです。

客先常駐だときちんと働いて頑張っていても自社の上司などの目には入りません。そのため直接の評価にはなりにくく、自社内で働いている同期よりも出世しにくくなってしまうのです。

そのため、案件内の業務と日々の勉強や資格を取るなどでスキルアップをしっかりと図り、転職をしてキャリアアップをしていくといったキャリアプランを考えておくことが大切になります。