人事・労務の仕事内容、年収相場、やりがい

人事・労務の仕事内容、年収相場、やりがい

人事の仕事はすべての企業にあります。

人事職経験と知識があれば大企業からベンチャー企業まですべての業種に就職できるチャンスが広がります。そのため最近では、人事職への関心が高まっているようです。

この記事では、人事職12年の筆者の経験を踏まえて、人事の仕事内容、楽しいこと・辛いこと、年収相場について解説していきます。

人事の仕事内容一覧

人事部の最大の役割、ミッションとは

会社の長期的な成長を支えるための人員の確保

と言えます。

ですから、人事の業務内容は、基本的に

  1. 会社が健全な営業活動をするために一番大切な「人」を採用し、育てる
  2. 必要な人材が働いてくれるように、社員が働きやすい環境を作る

の2点に関連しています。

人事部の業務内容は大きく4つに分かれます。

  • 人材採用
  • 労務
  • 社員教育研修
  • 人員計画や制度の設計と運用

人材採用

新卒採用と中途採用、アルバイト・パート・派遣の採用に関連する業務です。

人材市場から人を採用するための、募集から採用、入社までを行います。

下記のような業務があります。

  • 経営層や各部門長から採用したい人材をヒアリング
  • 転職エージェントとの契約
  • 人材サイトへの投稿
  • 自社採用サイトの更新
  • 会社説明会の企画・運営、書類選考
  • 面接対応
  • 内定者フォロー

労務

社員の勤怠情報の管理、給与計算や各種保険の手続き、福利厚生の手配などを行います。

労務の業務を外注している企業も増えてきていて、その場合には外注先企業との進捗管理や確認などの業務を行います。

  • 健康診断など従業員の心身の健康管理
  • 給与計算
  • 福利厚生運営
  • 社会保険、雇用保険、労災保険、厚生年金などの手続き
  • 社員旅行などイベントの仕切り
  • その他、従業員のサポート

社員教育研修

社員を育てるための教育研修の企画・実行などを行います。新人研修、マネージャー研修、スペシャリスト研修など。

  • 経営陣や各部門長から課題をヒアリング
  • 研修プランの企画
  • 外部研修企業との折衝
  • 研修の実施

人員計画や人事制度

自社の経営状況とビジョン、市場の状況、労働法改正などに応じて、経営陣との議論の上で、会社の中長期の人員計画やそれに伴う人事制度の改革・実行などの業務です。

人事評価制度の変更と実施は、従業員のモチベーションと直結する部分でもあるため、各部門や経営層との入念な議論の元で行われます。

経営戦略の人の面から支えるこれらの業務は人事部の中でも、最も難易度が高く重要といえます。

業界や企業ごとの人事の仕事内容の違い

人事・労務の仕事内容は業界や会社の規模によって違いがありますが、人事部門において行っていることはどの会社もほぼ一緒と考えていいでしょう。

筆者の日系大企業、ベンチャー企業、外資系企業の3社で働いた経験から言って、外資系企業、大企業、小企業、店舗展開をしている企業ではそれぞれ下記のような特徴があります。

  • 外資系企業の人事
    英語の能力により地位が決まります。
    上司が外国人であることが多い為、英語での報告が求められ英語会議もあります。それに対応する英語の能力は必須となります。
    また日系企業のような幅広い業務は求められず、人事業務と労務業務の担当者を明確に分けるなどの傾向があります。
  • 大企業の人事
    人事部門の人数も比較的多く、採用担当者、給与計算担当者など分業され、それぞれの部署に数名の担当者がいます。
    そのため自分のやりたい業務が担当できると、やりがいも感じやすい傾向があります。
  • 中小企業やベンチャー企業の人事
    人事担当者は1~2人であることが多く、採用から給与計算まで「人事・労務の仕事」をすべて管理し行っていく必要があります。
    やりたい仕事以外の業務に忙殺されることも多いですが、日系企業の人事部の仕事が一通り経験出来ます。
  • 店舗展開をしている企業の人事
    正社員、アルバイト、派遣社員など様々な雇用形態の従業員がいる為、労働条件も責任もちがうためそれぞれの労働法を理解した上での対応が必要です。
    問題が発生することも多いので店舗専用の人事部がある企業もあります。

人事職の年収相場

人事の年収相場

以下の表は、大手転職支援サイトが作成した、職種別の年収ランキングの一部です。すべてを掲載できないので、人事職種を抜き出しました。

[業種別平均年収ランキング(全316職種)]

順位職種平均年収
1システムアナリスト1,100万円
2システムエンジニア964万円
3コンサルタント(経営戦略)915万円
4不動産営業870万円
186総務486万円
197人事・労務・採用482万円
315パタンナー・縫製300万円
315その他保育関連職300万円

調査対象:2016年4月1日〜2017年3月31日の期間中にマイナビ転職に掲載された求人の「モデル年収例」から平均値を算出
出典:「2017年版 職種別 モデル年収平均ランキング」(マイナビ)

マイナビによる職種別年収ランキングによると、人事・労務・採用職種の平均年収は482万円となっております。

人事をはじめとした管理部門は、プロフィットセンターではなくコストセンターであり、また数字で結果が出にくいため評価基準が明確でなく評価されにくい傾向もあります。

結果によって支給されるボーナスやインセンティブは、製造部や営業部にくらべると配分は少なくなる傾向にあります。

外資系企業を含めると平均年収582万円に

一方で、人事の年収の相場は外資系企業と日本企業では大きく変わってきます。

特に退職金の支給のない外資系企業は日本企業の年収よりもプラス100万円~200万円、マネージャークラスだと200円~500万円ほど高い企業が多いです。

実際に、私が外資系企業の人事に転職をした際には、年収が200万円ほどアップしました。

パソナキャリアの経理財務・人事・総務の年代ごと年収推移調査では下記のような数字となっています。

管理部門の職種別平均年収


出典:パソナキャリア 経理財務・人事・総務の年代ごと年収推移調査

経理財務:546万円、総務:542万円、人事:582万円と管理部門において人事が比較的高い傾向にあります。

外資系企業は管理系職種の年収が高いケースが多いため、人事職の平均年収も高めになります。

また年代別での年収の伸びも比較的高く、優秀な人事職の方で年収が伸び悩んでいる方は、外資系への転職をすることで採用の大きい仕事が出来て年収も上がるケースが多いようです。

人事の仕事の楽しいところ、やりがい

人事の仕事の楽しいところ、やりがい

筆者が、人事の仕事をしていて良かったと思えることは、大きく2点です。

  • 従業員の生活や成長をサポートすることで、その人に感謝される
  • 企業の最大の要である人員計画を通して、経営を学べる

例えば私の例でいうと、新卒で入社した人が理想と現実の仕事ギャップで思い悩み「退職したい」と相談されることがよくあります。

親身に話をきき目標をたてそれを達成する手伝いをしてあげたことで、その人はやりがいを再度見つけ、今では後輩を指導する立場になっています。

また会社の業務以外のことでも、社員の配偶者のプライベートな年金手続きや、雇用保険手続きなど案内すると感謝されます。直接の仕事以外で社員のお手伝いをすると、後日、面倒な仕事があっても積極的に協力してくれます。

また採用に携わった社員が会社の業績や改善に貢献する結果を出すとうれしくなります。また給与計算や税金、社会保険の知識が仕事を通して身につくので安心と自信がえられます。

さらに、人事部員として出世をすると、企業の最大の要である人員計画を経営層と共に考えていくことになります。

そこでは、長期的な経営戦略を理解した上で、どんな人材が必要になってくるのか、どんな社員教育をしていくべきなのかなどを考えることとなり、経営者目線で会社経営を学んでいくことが出来ます。

人事の仕事で大変なところ

人事の仕事で大変なこと

人事の仕事で大変なところは、結果が数値化できないために、実績評価をアピールしにくいことです。

また会社の重要な決定事項、従業員の個人情報といった機密情報を取り扱っているため、情報の取扱には最新の注意が必要です。他部署の同僚にも仕事の相談をしたり、飲みに行っても会社の愚痴も言えないので孤独感を感じる場合もあります。

また人事部の社員は他の社員の模範となるロールモデルであるので、スキルアップにも率先して取り組む必要があります。

例えば会社によって下記のような例があります。

  • 人事の社員は就業15分前には席につき仕事をしているべき
  • 仕事中はもちろん、給湯室やお手洗いでの無駄話もしない
  • 残業はなるべくしない(したい時もしづらい)
  • 人事で推奨している研修や資格は率先して取得し、お手本となる。(TOEICなど)
  • 常に会社のことを考えた模範行動をしなければいけない

人事の仕事に向いている人はこんな人

企業の根幹には「人」がいます。

そして人事は、「人」と真摯に向き合う仕事です。

人と深く向き合う仕事のため、「人が好き」「人の役に立ちたい」という気持ちを持っていることが大切です。

人の話を聴く姿勢をもち、会社の方針・ポリシーを効果的に伝えて理解してもらうことができる人、コミュニケーションをとるのが上手な人が理想です。

また会社の方針と従業員の意見との板挟みになったりと、人間関係がとても多い仕事なので、色々な人と人間関係を作るのが得意な人が向いています。

人事の仕事は多岐にわたり、会社の規模や社員の数がふえるほど仕事の種類も数もふえます。また人が相手の為マニュアル通りいくことが少なく、それぞれの社員に合わせて臨機応変に変える必要があります。

ストレスの多い仕事でありますが、社員から感謝されることも多い仕事です、

そして何より、社員の成長に過程に携われるのでとてもやりがいのある仕事といえるでしょう。