転職回数が多い人のポジティブな職務経歴書の書き方

終身雇用制が崩れ去ったとはいえ、まだまだ文化として残っている日本では、1つの会社に長い年月滞在していないと「堪え性がない」「根性がない」などと思われがちです。

海外では転職回数が多いことはキャリアにとってマイナスになりませんが、日本ではマイナスに捉えられることが多々あります。

では転職回数が多い人は、転職活動をする際の最初の関門である職務経歴書をどのように書くべきでしょうか。

転職回数は何回以上が多いと言えるのか

まず転職回数が多いと一般的に思われるのは、何回以上なのでしょうか。

「退職」について(2014年版)
アンケート実施期間 : 2014年1月31日 ~ 2014年2月27日
有効回答数 : 2,713名

en転職回数調査

引用:en ミドルの転職「退職について」

転職サービスenの調査によると、転職経験者は全体で83%(30代で80%)となっており、過半数が転職回数3回以内となっています。

平成26年版労働経済の分析(労働経済白書) 骨子

厚生労働省調査、転職経験者割合

引用:平成26年版労働経済の分析(労働経済白書) 骨子

一方で、厚生労働省の調査によると、転職回数が1回以上(離職回数1回以上で現在有業)の割合は、30代男性で約40%、30代女性で約43%となっています。

男女ともに、転職回数2回以上の人は、1回の人の2倍人数がいることが分かります。

採用担当者個人やその企業体質によって変わるでしょうが、一般的には転職4~5回以上で転職回数が多いと思われる目安かもしれません。

職務経歴書に書くべき4つのこと

まずは職務経歴書に書くべき4つのことをおさらいしておきましょう。

1.職務要約

今までのキャリア全体の総括を3〜5行くらいでまとめたものです。

キャリアの目次的な役割を持っており、ここが一番最初に採用担当者に読まれる部分であり、その後の職務詳細をしっかり読んでくれるどうかが決まる場所でもあります。

2.職務詳細

経験してきた職務内容を具体的にまとめたもので、職務経歴書の大半を占める部分です。

具体的に、でも冗長にならないように、経験してきた仕事を伝えましょう。各職務にはそれぞれどんな実績を上げたのかを書くようにしてください。また実績はなるべく数字を使って書くのがポイントです。(例:○○業務の効率化により、部内の残業時間が○%削減された)

特に転職回数が多い人の場合、職務詳細を時系列に羅列していくと内容に重複が出たり、かなり冗長になってしまいがちです。

在籍が短い会社ではあまり書くことがなかったりして、「何も実績を残さずに退職したのでは?」と思われてしまう可能性もありますので、書き方に工夫が必要となります。

3.貴社で活かせるスキル・経験

職務詳細のなかで得てきたスキルや経験のなかで、特に応募先職種・ポジションで役立つものを3~5行くらいで書く部分です。

4.自己PR

応募先企業の発展のためにあなたという人物がどのように貢献できるかを伝える部分です。外資系企業への転職では書かない場合も多い。

3で上げなかったスキルや経験を伝えたり、採用担当者が感じそうなあなたのハンデ(年齢やキャリアブランクなど)を先回りしてフォローしておくような書き方も良いでしょう。

転職回数が多い事のフォローも言い訳にならないように注意して書いておきましょう。

まずは職務経歴書のフォーマットを決めよう

職務経歴書の書き方には大きく3パターンがあります。それぞれメリット・デメリットがありますので、あなたの経歴がより魅力的に見えやすいフォーマットを選ぶようにしてください。

日本で最もオーソドックスなのは編年式ですが、転職回数が多い人の場合は、キャリア式をオススメします。

編年式(Chronological Resume)

最もオーソドックスな作成方法で、採用担当者も見慣れているため読む負担が少なくなります。

  • 2000年3月〜2012年4月
    • ○○株式会社 ○○部配属 職位○○
    • 職務内容
    • 実績や身につけたスキル等

メリット:時間軸と勤務先と職務ごとに書いていくので、一通り読むことで、あなたがどのようにキャリアを積んで成長してきたかが理解出来ます。

デメリット:転職回数や異動が多いのが目立つ

また年代順で古い年代から書いていく方法と、逆年代順で新しい年代から書いていく方法があります。

30代以上の転職であれば、新しい職歴がそのまま次の転職先で活かされるケースが多いので、逆年代順で書いていくのがオススメです。

キャリア式(Functional Resume)

経歴やスキルごとに箇条書きにして書いていくフォーマットです。

  • ○○関連業務 (6年3ヶ月間)
    • 職務内容
    • 実績

メリット:経験やスキルが多い場合や、違う会社で同じ業務を行っていた場合などに内容が重複して冗長になりにくい。
また斜め読みでも、あなたのキャリアが応募先企業に役立つことが伝わりやすい。
転職回数が多くても目立ちにくい。

デメリット:キャリア形成の経緯が見えづらい。古い日系企業等の場合、採用担当者が見慣れていない。応募先企業での働くイメージがしっかり出来ていないと的はずれな内容になってしまう場合も。

コンビネーション式(Conbination Resume)

職務経歴や自己PRなど書くべきことは盛り込んだ上で、記述内容を上手く絞ることでA4サイズ1枚程度にまとめる形式です。例えば下記のような書き方になります。

  • 貴社で活かせるスキルや経験
    • ○○の経験
      ○○といった業務や○○を4年間行ってきた中で、○○といったスキルや知識があります。
  • 自己PR
    • 計数感覚の強さ
      エピソード
  • 職務要約
  • 職務詳細
  • 誇るべき実績

メリット:コンパクトにまとめることで読んでもらいやすくなる。伝えたいイチオシのポイントがしっかり伝わる。未経験職種への転職でも、未経験のハンデが伝わりにくい。職歴や転職回数が非常に多い場合にも目立たずにコンパクトにまとまる。

デメリット:内容がコンパクト故に、上手くまとめないと内容が薄いと一蹴される危険性がある。書くのに文章力・要約力のテクニックが必要。

転職回数が多い人の職務経歴書の書き方

転職回数が多い人でも、それぞれの会社個別でアピールできる十分な実績がある場合には編年式で下記ましょう。

一方で転職回数が5社以上で、それぞれの会社での職務詳細や実績に重複が出そうな場合には、キャリア式かコンビネーション式で書くのがいいでしょう。

自己PRや特記事項欄で転職回数が多い理由を書く

転職回数が多い場合は、どうしても職務経歴書を読まれた時点で、採用担当者から「当社に入社してもすぐ辞めてしまうのでは?」と不安に思われるのは仕方ありません。

その不安を先回りして解消するために、事項PRや特記事項欄で、転職回数が多くなった理由を、ポジティブな形で伝えておく必要があります。

経営悪化による会社都合退職や契約期間満了による退職などの不可抗力な転職がある場合や他社からのスカウトによる転職がある場合にはしっかり伝えておきましょう。

転職回数が多いことを強みとして伝える

特にここ20年くらいで日本経済は大きく揺れ動きました。会社の業績不振から人員削減となり、退職を余儀なくされるケースも多々あります。

キャリア形成を常に意識してやってきたものの、結果として多業種・多職種にまたがる多くの職歴を経てきた人も大勢いるのが実状です。

そういった転職回数が多いことは、見方によっては売りにもなります。

例えば、「複数企業で勤務したことによる環境適応能力、様々なバックグラウンドを持つ人達と協業するコミュニケーション能力に自信がある」といった内容や、「同一業種で複数企業で働いたことによる業界を俯瞰する視点からの企画力」など。

経験してきた業界や企業の中で鍛えてきた様々な知識とビジネススキルを総合的に活かせる求人というのが必ずあります。

転職回数が多いことが強みとなりうるのは下記のような例があります。

  • 複数の業界を経験している
    複数の業界と取引をしている企業にとっては重宝がられるでしょう。
  • 大手と小規模企業の両方を経験している
    様々な形態の組織・環境に適応できる柔軟性があります。
  • 成熟期の企業、拡大期の企業を経験している
    様々なマネジメントスタイルに適応できる、0を1にする仕事も1を10にする仕事も両方出来る。
  • 営業先が法人・個人、若年・高齢と幅広い経験がある
    応募できる営業の求人が多い。
  • 営業スタイルが新規開拓・深掘り、直販・代理店販売と広く経験がある
    様々な顧客ニーズや営業形態に対応出来る営業スキルがある。
  • 多くの上司のもとで経験を積んできた
    様々なタイプの上司・同僚と上手くやっていけるコミュニケーション能力がある。
  • 違った職場環境で多くの部下を育ててきた
    様々なタイプの部下を様々な手法で育てる事ができるマネジメント能力がある。

転職回数が多いからこそ得られた経験やスキルをポジティブに伝えるように工夫しましょう。

ただ、面接でその点を突っ込まれますので、それを裏付けするエピソードがしっかり語れる必要がある点には注意です。