経理職種の仕事内容とやりがい、年収相場、必要スキル

本記事では、経理職の仕事内容、やりがい、年収相場や必要スキルについて解説していきます。

経理職の仕事内容

経理職は会社の規模によって担当する業務内容が大きく違ってきます。

規模が大い企業になるほど実際の担当業務は細分化され、仕事の内容は単純化されますが、組織の経営管理は複雑になってゆきます。

逆に規模が小さくなるほど色々な業務を担当しなければなりませんが、組織としての経営管理はシンプルです。

もし、経理職を希望し、30人程度の中小企業での就職を検討されているなら、給与計算から決算申告まで、全ての業務を担当する覚悟が必要となります。

経理事務を目指すなら、まず、自分はどのような形態の経理業務を行えるのか、行いたいのかを把握する必要があります。

実際に行う主な業務内容をあげてみました。

入出金の管理

大きくは仕入れ、売上の収支、身近なところでは小口現金の管理を行います。

現金の管理は「現金出納」、仕入売上の収支は「仕入台帳」「売上台帳」としても管理されます。

小口現金では実際の取引以外、日常で必要な諸経費のための現金を管理します。

通常、入金・出金伝票で他のスタッフから申請された金額を振替伝票で処理してゆく作業となります。

会計ソフトに入力する以前の作業です。

収支バランス管理

収支バランスとは収入と支出が0になるように管理すること。経理上においてマイナスという数字はあり得ないのです。支出がある前には必ず収入がなくてはなりません。

通常、全体の流れを日毎、月毎の「試算表」で管理しています。

事業部との収支に関する調節

部門間において、資金の賃借、商品の搬出入などの動きを仕訳する作業です。

その動きは「総括表」で収支管理を行います。

財務諸表の作成

財務諸表とは「資産」と「負債」「資本」を対照し、財務状況を表すバランスシートをいいます。

「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュ・フロー計算書」

「株主資本等変動計算書」などが含まれます。

株式上場、融資申請、決算申告などにも必要な添付書類です。

経理職員である限り財務諸表を理解するのは必須条件となります。

有価証券報告書の作成

有価証券を発行している企業は事業年度ごとの提出が義務づけられています。企業情報(企業概要、事業状況、設備状況、経理状況等)、監査報告書などが主な報告内容です。

税理士や公認会計士との折衝

会計ソフトを導入していても、部門が別れている内容の総括、税務調査の対応など、税理士や会計士の管理は必要です。その内容説明にあたる機会もあるかもしれません。

自分が行っている業務状況を常に把握していることが大切となります。

取引先与信管理

会社間の取引では、相手の会社の経営状態がどのようなものなのかその信用度を見ながら取引をする必要があります。

販売先に商品の代金を回収するまで「信用を与える」ことを「与信」、その間の売り上げ状況を管理することを「与信管理」といいます。

具体的には「売掛金」「買掛金」「手形」の管理を行います。

原価計算

製造業の場合は製造原価、商業の場合は売上原価をいいます。

毎月の棚卸はそのために必要な行程です。

全ての業種において大まかな利益状況を管理するために行います。

社内決算ルール作成

企業内では年度ごとに行われる年次決算以外にも

毎月ごとに集計する月次決算、3か月ごとの四半期決算、6か月目に行う中間決算などが実施されています。

それらのルールはそれぞれの企業が独自で制定し、管理しています。

決算業務

年度決算では報告書としての申告書類作成以外にも、それに伴うさまざまな業務が付随します。

現金や預貯金の残高照会、未収金・未払い金の処理、年度末棚卸など、決算申告を行うために最終的なチェックとしての「試算表」や「精算表」などの作成を行います

連結決算業務

親会社に子会社や関連会社の会計を加算した決算をいいます。

海外も含む関連全グループでの「貸借対照表」「損益計算書」を「連結財務諸表」として公開します。

経理の年収相場

以下の表は、大手転職支援サイトが作成した、職種別の年収ランキングの一部です。

経理職をオレンジ色で抜き出しました。

[業種別平均年収ランキング(全316職種)]

順位職種平均年収
1システムアナリスト1,100万円
2システムエンジニア964万円
3コンサルタント(経営戦略)915万円
4不動産営業870万円
5コンサルタント(経営戦略)836万円
203
経理・財務478万円
315パタンナー・縫製300万円
315その他保育関連職300万円

調査対象:2016年4月1日〜2017年3月31日の期間中にマイナビ転職に掲載された求人の「モデル年収例」から平均値を算出
出典:「2017年版 職種別 モデル年収平均ランキング」(マイナビ)

経理・財務の平均年収は315職種中203位となっています。

400万円〜500万円台が全ランキングの約80%を占める結果となっていますので、経理職は平均程度の年収相場と言えるでしょう。

経理の仕事で楽しいところ、やりがい

経理職は営業職とは対照的、内を固めるディフェンス的な業務。地味で目立たない職種のようにも見えますが、大きくは会社経営の流れが見える重要な業務です。

ゆくゆくは直接、予算の編成に関わることも珍しくはありません。

「会社を向上させるために」経営という面から支える大切な役割を担っています。

まさに「やりがい」のある業務にまでつながってゆきます。

また、数字を扱うことを楽しいと感じることのできる人にとって、収支が一致したときの達成感は経理事務職の醍醐味のひとつです。

経理の大変なところ

一方で、経理の仕事で大変なところは何があるでしょうか。

数字が一致したときの達成感と反して、数字が合わない時、合うまでの作業を続けなければなりません。

就業時間内に終わる保証はありません。

なぜそうなるか、原因がつかめない場合、何時間もその原因を探し続けなければなりません。

締め切りが近い時などは、非常にイライラしてストレスが溜まる瞬間です。

また、常時同じ姿勢でいることの肉体的な疲労が溜まりやすい職種でもあります。

経理事務職は一日の大半をPC処理に費やさなければなりません。

眼球疲労、肩こり、腰痛などの対策、経理業務に携わるものにとっても健康管理は大切です。

経理職に向いているのはこんな人

経理事務を行うに際し、必要なスキルはPC操作と簿記の知識です。

会計ソフト以外、Excelの知識も必要です。関数やマクロを扱えるならキャリアとして有利です。

PC操作、数字を扱う事を苦ではなく楽しいと感じることができるのなら経理職に適していると言えます。

ただし、人付き合いが苦手な人にとって、「だから経理事務を選ぶ」というのは無理があるかもしれません。

銀行担当者や税理士、上司や他の部門のスタッフとの交渉や打ち合わせなども必要な職場である可能性も大きいのです。

どうやったら経理職になれる?

最近では会計ソフトを導入する会社がほとんどです。けれどその会計ソフトも「仕訳」ができなければ扱えません。

まず簿記の資格を習得するのが第一条件です。

企業サイドも経理事務職を募集する際には、大学で経理を学んでいる、または簿記資格を最重視します。

日商簿記検定は必須、秘書検定やMOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)

などの資格取得も就職に有利です。

新卒採用で経理に配属された場合、仕訳する以前の小口現金管理、仕入れ、納品などの伝票管理を担当する場合があります。

その場合でも、もし経理専門職を目指すならまずは専門知識を身に付けることから始めてください。

参考:未経験から経理職種に転職する難易度と戦略

まとめ

経理事務職は一見地味な窓際仕事のようなイメージがありますが、実際に携わってみればその醍醐味や奥の深さが目に見えて理解出来てきます。

そして、転職や独立など、夢をかなえるためのスキルアップにつながる専門職です。

どのような方向を目指すにせよ、知って損はない、知らなくては経営できない知識の宝庫です。