未経験から経理職種に転職する難易度と戦略

転職を考える場合、成績やノルマに圧迫されにくい「安定職」である経理はやはり魅力です。

ただ、いろいろな専門知識が必要で、未経験の人にはハードルの高そうなイメージがあるかもしれません。

筆者自身、未経験から経理職に転職し、最初は簡単な業務から少しずつキャリアップをしてきました。本記事では未経験で経理職への転職方法について解説します。

未経験で経理に転職するのは難しい?

未経験者が経理職への転職を考える場合、まず会社の規模、担当する業務内容を先に確認する必要があります。

経理部門が他のスタッフや上司がいる規模の会社の場合

経理部門の責任者が1~2人だけではなく、上司や同僚が数人いる規模の会社に入社した場合は、未経験でも転職が比較的しやすいでしょう。

まず特に専門知識の必要のない伝票整理や小口現金管理、請求書や納品書の作成業務から担当します。

仕訳作業も最近では会計ソフトを扱う会社が殆どです。

中途採用でも知識とやる気があればチャレンジすべきだと思います。

募集要項に「未経験可」の記載があれば大丈夫です。

年末調整、給与計算、決算申告の業務を担当しなければいけない会社規模の場合

30人以内の中小企業の場合、ひとりで殆どの経理業務を担当することも少なくありません。

前任者の引き継ぎや顧問税理士の指示はあるとはいうものの、経理職経験が無くて知識だけでこなせるかはかなり難しいでしょう。

また、労務手続きや雇用契約、融資申請など、経理業務以外の仕事をこなさなければならない場合も多く、その業種や会社ごとのシステムもすでに出来上がっています。

基本的な知識だけで応用して問題なくこなせるかといえば、無理がある場合も多いようです。

「決算業務」「給与計算」「経験者求む」の記載のある求人は、未経験者では落とされる可能性が高いので避けるのが無難です。

他の職種から経理に転職するメリット

経理職はミスの許されない単純作業が続く、性格的な向き不向きがハッキリと別れる職種であるといえます。

とはいえ経営を学ぶことでいろいろな可能性が広がる職種でもあります。

他の職種と比較した経理職のメリットは下記のようなことがあります。

成績やノルマに左右されない

経理職は営業職のように成績に左右されることはありません。

自分の担当する業務は決まっていて、それをいかにミスなく管理するかです。

運や性格、外見に左右されることなく、自分の能力を発揮できる場であるといえます。

またノルマ数字に毎日追われるプレッシャーもありません。

専門職でやりがいがある

経理職は経験を積むに連れて業務内容にも専門的な知識が必要とされていきます。

お金は企業が活動を行う上で必要不可欠なものですので、それをプロとして扱う経験を積んだ経理職は企業にとって要になるポジションです。

会社経営の大まかな構造が見えてくるやりがいのある仕事です。

キャリア・経験が活かされる

経験を積むことで業務内容も変わってきます。そして、その経験はキャリアとして積み重なってゆきます。転職を考える場合にも活かされます。

比較的、残業・休日出勤が少ない

業務内容が一定で仕事配分の予測も可能、他の業務からすれば定時に帰宅できることが多い業種です。

転職エージェントDODAによる調査では、経理は、残業時間の少なさは95職種中18位、年間休日の多さは56位となっています。

95職種中で平均よりも残業が少なく、休日は平均程度ある職種と言えます。

参考:経理の仕事の残業や休日出勤について

他の職種から経理に転職するデメリットはどんなものがある?

窓際職のようなイメージを持たれることもある経理職。

経営の部分で会社を支える役割を担っているとはいえ、表面的には地味で気苦労も多い、報われない職種であることも多いようです。

高給は望めない

経理職の業務は決まっています。

そのため「自分でなければできない」といった自分なりの工夫が入る余地があまりありません。(もちろん、出世して難易度の高い経理業務をする場合は別です。)

個人的な評価には結びつかない、欠員は補充できる職種にいるところから始まります。

それは給与にも現れますので、なかなか給料が上がりづらいかもしれません。

ミスができない

対外的には請求書や納品書もミスがあれば会社の信用問題につながってしまいます。

対社内的にはスタッフの給与、現金を扱うことも多く、ミスは即個人の評価につながってしまいます。

貸借の合計が合わない、他のスタッフにも迷惑が掛かります。

ケアレスミスをどうしてもしがちな人にとっては、精神的なストレス溜まりやすい職種のひとつです。

出世するほど専門知識が必要になる

新人でいる頃は特に求められない専門知識も中堅クラスになれば必須。

振替伝票、データ入力も少なくとも科目の扱いまでは理解していなければなりません。

決算業務を任される頃には簿記の上級の知識は必要です。

一日中、座り仕事で健康に良くない

終日を数字管理にあてられるのが経理の主な業務です。

肩こりや眼性疲労、腰痛になりやすい地味な重労働です。

また、エアコンの影響で血行不良や冷え性なども注意しなければなりません。

他の部署から疎まれる

経費を清算するためにはその会社のシステムに則って経理へ申請しなければなりません。

経理職はその監視役のような損な役割を担当しなければならない場合も多くあります。

他の部署からすると、小うるさい経理担当者と思われがちな立場です。

未経験から経理に転職する方法

経理職に興味があり、未経験から転職をしたい場合の方法を紹介します。

筆者自身、下記のようなことを実施して、未経験から経理職に転職し、最初は簡単な業務から少しずつキャリアップをしてきました。

資格を習得する

具体的にはまず、簿記の知識は必要です。短期的な就職を考える場合でも、日商の3級は最低限必要です。

仕訳や科目など、経理職で必要な基本の知識は理解できるようになります。

長期的に、管理職までを目指すなら日商簿記2級は習得する必要は最低限ありますが、それは働きながらでも問題ないでしょう。

日商簿記2級では商業簿記の本支店管理、商業簿記に加え工業簿記での製造原価も加わります。

自分が就きたい職種、会社を決める(転職求人の選定)

まずこの会社に勤めたいという意欲が必要です、それは経歴書や面接でも人柄として現れます。

経理職は職種を選びません。どのような職種にも就ける可能性があります。

まず、自分はどのような仕事に携わりたいのかの自己分析を行ってください。

履歴書・職務経歴書でアピール

資格欄に現在資格取得のために勉強している旨も記載してください。
「○年○月 日商簿記○級資格試験受験予定 」等

志望動機に、経理事務職への熱意を記してください。

「将来的に経営基盤を固めるという側面から会社へ貢献できるやりがいのある職種であると判断して」等を具体的になぜそう考えたのかを含めて書きましょう。

また、前職の経験を経理職に活かせることのアピールも盛り込めるとベターです。
経理職でするであろう仕事をイメージして、今までの仕事の中で得たスキルで応用できそうなものを書くようにしましょう。

自己PRの仕方

経理事務職に就いた自分をイメージして、いかに会社に貢献できるかをシュミレーションするのは大切です。

経理職に望まれる気質は、

  • 真面目
  • 粘り強い
  • コツコツやれる
  • 一つの事にこだわり、極める
  • 緻密な作業をいとわない

などです。

コミュニケーション能力や、将来的には管理能力も問われますが、未経験からの転職であれば、最低限のコミュニケーション能力がしっかりあることを伝えられればいいでしょう。

前職での営業成績、その分析や事務的な処理を行った旨を盛り込めば説得力も高まります。

まとめ

最近は未経験の経理スタッフを募集する企業もあり、未経験でも経理への転職はそれほど難しくはないのかもしれません。

PCが普及し、ネット環境で生活するフリーランスや起業家が増え、経理職がただ「地味な職業」というイメージから変化しているのでしょうか。

経理職を目指す求職者も増えているように思います。

何にせよ経理職は一度その職に就くことで経験を積んでゆくことができます。